Dr. Kenの “ゼロより1” 日記

沖縄県那覇市久茂地 タイムスビル6階にある 形成外科KCの院長、Dr. Kenのブログです。

インプラント豊胸・乳房再建後の被膜拘縮と未分化大細胞型リンパ腫

の予防策についての最新の論文です。


インプラント豊胸・乳房再建後の被膜拘縮と未分化大細胞型リンパ腫
(PRS、140: 427, 2017)



被膜拘縮



ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫
(breast implant–associated anaplastic large-cell lymphoma=BIA-ALCL)
(詳しくはこちら

の原因として、

現時点で最も有力な説は

乳房インプラント周囲の

バイオフィルム形成

です。




つまり
インプラント豊胸・乳房再建後の被膜拘縮と未分化大細胞型リンパ腫
乳腺組織ないし切開創からの細菌混入

ないし

他部位からの細菌迷入をきっかけに
インプラント豊胸・乳房再建後の被膜拘縮と未分化大細胞型リンパ腫
インプラント周囲にバイオフィルムが形成され


宿主との免疫反応が慢性的に持続し
インプラント豊胸・乳房再建後の被膜拘縮と未分化大細胞型リンパ腫
被膜拘縮ないし未分化大細胞リンパ腫

が発症するということです。




そこで、本論文の中で

インプラント豊胸・乳房再建時には

下記14ポイントの予防策
インプラント豊胸・乳房再建後の被膜拘縮と未分化大細胞型リンパ腫

独断で訳すと


1.麻酔導入前の抗生剤の静注
2.乳輪切開または腋窩切開を回避
3.術中に乳管からの分泌物による汚染をさせるため乳頭をテープで被覆
4.愛護的に操作・剥離して組織のダメージを最小限に
5.慎重に止血
6.乳腺実質の剥離を回避
7.ポケット作成はデュアル・プレーン
8.ポケット内腔の洗浄(ポビドンヨード液 +/− 3種抗生物質、またはポビドンヨード希釈液)
9.インプラント挿入部の皮膚からの汚染を最小限に
10.インプラントの外気への露出時間を最小限に
11.インプラント挿入前に手袋を交換し、器具を新しくするか清拭する
12.できればドレーンを使用しない
13.切開創は多層で縫合閉鎖
14.皮膚・粘膜のバリアを破綻させる操作を行う場合の予防的抗生物質投与


の遵守を推奨しています。




当院でも当該手術時には

上記14項目を遵守するようにしています。

インプラント豊胸・乳房再建後の被膜拘縮と未分化大細胞型リンパ腫

なお、ポケット内の洗浄は

生理食塩水300mlに

セファゾリン1g+ゲンタマイシン60mg+ポリミキシンB50万単位

を混合した液を用いています。コレ!






今日は旧盆“ウークイ”
インプラント豊胸・乳房再建後の被膜拘縮と未分化大細胞型リンパ腫
昨年、他界した父にぐすん

授かったこの命を感謝しつつ

親孝行が足りなかった分

天職を全うする誓いを

捧げてきました。






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