医療法人こころ満足会 形成外科KC

2012年02月17日

◆しこり147

の中で、再発性のものの治療は、特に慎重に大きさや存在部位を評価する必要があります。

肩の再発性のしこりです(中央部分は以前に他院で切除された際の傷跡が肥厚性になっています)。

実際に触れると深部に大きな残存しこりを認めました。

軟部組織の評価はMRIがベストです。

矢状断の写真ですが白い脂肪腫に相当するしこりの局在が明らかです。

切除標本です(あえて白黒にしています)。

大きいですね、完全に切除できました。
  

Posted by Dr.Ken at 17:38Comments(0)しこり

2012年02月14日

◆しこり146

を治療するうえで常に考えていることは、いかに目立たない傷跡で治すかということです。

良性腫瘍はもちろん、悪性腫瘍の場合でも同じです。

外科医はメスで病気を治療していきますが、中でも形成外科医は習性として少しでもきれいに、1ミリでも小さな傷跡で治したいと考えます。それが、形成外科医の存在意義・価値だと、私は思います。

これまでも具体的なしこりの治療法は数多く紹介してきました。たとえば粉瘤のくりぬき法(こちら)やホクロの双葉皮弁(こちら)です。

そのほかによく使うのは目立たない部位に傷跡を残す方法です。
耳やまぶた、口のしこりでは、仮にしこりが表側にあっても、あえて裏側を切開することもあります。

例えば、口唇の比較的大きなしこりでは


このように粘膜側を切開して摘出します。


一週間後の状態です。

まだ、すこし腫れが残りますが、外から傷跡は全く見えません。



  

Posted by Dr.Ken at 12:00Comments(0)しこり

2012年02月07日

◆しこり145

の中で意外と見つけにくい場所のひとつは外耳孔(耳の穴の出口)です。

写真は外耳孔の小さなホクロのようなしこりです。

経験を積んだ医師であればその特徴から基底細胞がんを疑う外見(所見)です。

病理検査で基底細胞がんと診断が確定しました。

外耳孔を大きく切り取ると再建も困難です。
この方は幸いにして小さいうちに病変に気づき来院されました。その結果、特に問題なく根治的治療が可能でした。

何度も触れているように、どんなしこりも小さいうちに対処するに越したことはありません。OK

  

Posted by Dr.Ken at 18:07Comments(0)しこり

2012年01月31日

◆しこり144

と言っても、とてもとても小さなしこりが集まってできた病変です。

下まぶたに数年前から出てきたとのことでした。

ルーペで観察すると面ぽうの集ぞくであることがわかりました。

少数の病変ですと炭酸ガスレーザーによる治療も可能ですが、小範囲に集ぞくしていたので切除しました。

病理検査の結果


Favre-Racouchot病と判明しました。


初めて聞く病名です。キョロキョロ
  

Posted by Dr.Ken at 15:27Comments(0)しこり

2012年01月22日

◆しこり143

の話を看護師と手術中にしていたときのことです。

Dr. Ken:「将来的には、ブログの『しこり』シリーズをまとめて、本にしようと思っているんだよ」

K看護師:「タイトルは考えてますか」

Dr. Ken:「一般の方にも役立つように、ズバリ『しこりのすべて』なんて、どうだろう」

K看護師:「私は『しこり』と言えばどちらかというと、心の『しこり』をイメージしますが・・・」

Dr. Ken:「『しこり』と言えば、いつも体表面から見えるものしか考えていなかった。『心のしこり』は、全く意識していなかった」「たしかに表面的にはしこりがなくても、『心のしこり=悩み』を持って、うちに来られる方も多いよね」「シミを消したり、たるみやキズ跡を良くしたり、二重にしたり・・・することで『心のしこり』を治療しているね」

K看護師:「そうです」

Dr. Ken:「形成外科・美容外科は、『体と心のしこり』を治療しているとも言えるね」
(注:形成外科・美容外科を精神外科と呼ぶ方もいます。)

体表面のしこりは見て、触れればその大小は分かりますが、心のしこりは外からは分かりません。
他人から見ると小さな見た目の問題でも、本人にとっては大きな「心のしこり」であることもあります。

何れにしても、体と心のしこりとも小さいうちに治療した方が良いのは間違いありません。OK
  

Posted by Dr.Ken at 17:38Comments(0)しこり

2012年01月12日

◆しこり142

の中で、指趾にできる粘液のう腫については以前にも紹介しました(詳しくはこちら)。

先日も指の粘液のう腫切除後の再建を双葉皮弁で行いました。

術前のしこりと双葉皮弁のデザイン


手術直後


手術後6ケ月

再発なく順調に経過しています。


双葉皮弁による再建を成功させるこつは、適切なデザインです。
組織欠損の大きさと一次皮弁、2次皮弁の大きさと位置、角度、さらには皮弁の伸展性、血流も考えながらデザインします。
模式的にしめすとこんなかんじです。


  

Posted by Dr.Ken at 16:42Comments(0)しこり

2012年01月08日

◆しこり141

シリーズ、今年もよろしくお願いします。

足のしこり?です。

2年前から出現して少しづつ伸びて(大きくなって)きたそうです。
足ゆびから分れた枝のように見えますね。

病理検査の結果、手足のゆびによく見られる「後天性被角線維腫」でした。
  

Posted by Dr.Ken at 17:55Comments(0)しこり

2011年12月14日

◆しこり140

、まさにそう呼ぶにふさわしい病変です。


腹部のしこりですが、半年足らずの間に大きくなって来たとのことです。


しこりの割面です。

触診では「弾性硬」と表現する、空気がぱんぱんに入ったゴムボールのような硬さです。

なんらかの悪性腫瘍だと直感し、臨床診断(肉眼診断)は、悪性の軟部腫瘍、または転移性癌としました。

病理結果は「隆起性皮膚線維肉腫」でした。


「隆起性皮膚線維肉腫」が転移することは稀ですが、局所再発率が高いため、広範囲に腫瘍を切除する必要があります。

  

Posted by Dr.Ken at 23:05Comments(0)しこり

2011年12月08日

◆しこり139

の中で似て非なるものについては何度も紹介しました。

下腹部に10年ほど前にできて徐々に大きくなって来たとのことでした。

黒褐色のしこりで臨床診断(肉眼診断)は脂漏性角化症(しこりの中でもありふれた良性腫瘍のひとつ)としました。

確定診断(病理診断)は早期皮膚がんの一種「ボーエン病」でした。


えっと言う病理診断です。

次の写真は病理診断も脂漏性角化症でした。

似てますよね。


改めて、しこり診療の難しさを感じた一例でした。がーん  

Posted by Dr.Ken at 18:04Comments(0)しこり

2011年12月04日

◆しこり138

の中で、多発性に生じるものは決して稀ではありません。

額に3mm前後のしこりを多数認めます。

多発性の粉瘤または多発脂腺嚢腫と判断しました。

丁寧に1個1個取り除いていきました。

肉眼的には粉瘤のように見えます。

最小限の切開で除去後、2ヶ月です。



  

Posted by Dr.Ken at 23:26Comments(0)しこり

2011年11月29日

◆しこり137

を切り取った後のキズをきれいに治す上でアフターケアも大切です。
顔のキズであればなおさらです。

アフターケアで大切なことはテーピングです。

顔面の場合、早ければ4日目遅くとも7日目には抜糸します。その後に引っ掻いたり、擦ったりすると出血またはキズが開いてしまうこともあります。また、直射日光を浴びると不要な色素沈着を来すこともあります。そのためにテーピングで保護する必要があるのです。

私は、かぶれにくく、肌色に近い専用のテープを使用しています。2~4日に一度貼り替えて、2~3ヶ月継続するようにお願いしています。

まぶたのしこり(矢印)、粉瘤でした。切除7日後に抜糸してテーピングを開始。


抜糸後、1ヶ月の状態です。

まぶたは概してキズがきれいに治ります。


予想以上に治りが良いので、「テーピングをやめてもいいですよ」と話しました。GOOD

すると

「最近はキズがどこなのか分からなくて、別の場所にテープを貼って、娘に笑われました。」

(笑)ニコニコ
  

Posted by Dr.Ken at 23:47Comments(0)しこり

2011年11月19日

◆しこり136

と言っても、わずかに皮膚から盛り上がっている病変です。

60歳代の方に生じた鮮やかな紅色の柔らかいしこりです。

成人の男女を問わず見られ、ごく有り触れた疾患で教科書には「老人性血管腫」と書かれています。

「老人性」とは言え、実際には20歳代の患者さんもいるので、病名を言うときにいつも躊躇します。ガ-ン

切除して、ご本人の希望もあったため病理検査を行ったところ

サクランボ血管腫との報告でした。

恥ずかしながら、このような呼び名(病名)に出会うのは初めてでした。

言い表現ですね。熟したサクランボのように鮮やかな色ですから。GOOD

今度から、躊躇せずにサクランボ血管腫ですねと言えます。ニコニコ  

Posted by Dr.Ken at 12:58Comments(0)しこり

2011年11月14日

◆しこり135

の診断は、その大きさ、形、色、部位、経過などに基づき、さらに自分の経験と知識、さらに「直感」でなされます。

病変が小さくても、これまで経験したパターンと異なる場合、何か普通ではないと「感じた」ときには、病理検査で確定診断を得るようにしています。

顔面の小さなしこりです。

大きな毛穴のようにも見えますが、ごく初期の皮膚がん(基底細胞癌)も否定できないと思いました。

結果は、

毛包棘細胞腫:Pilar Sheath Acanthomaでした。


良性ですが、とても希な皮膚腫瘍です。
  

Posted by Dr.Ken at 20:25Comments(0)しこり

2011年11月05日

◆しこり134

の中で切らずに治療できるもののひとつが、ニキビの特殊型である嚢胞性ざ瘡です。

比較的大きな柔らかいしこりです。

熱感や周囲の発赤もなく、圧痛もありません。
超音波検査でも、内部は液状のものと判断しました。

嚢胞性ざ瘡と診断してステロイド剤を注入しました。
1週間後の状態です。

扁平化して液の貯留はありません。


もちろん、熱感・発赤、疼痛など感染のサインがあるときは切開することもあります。  

Posted by Dr.Ken at 23:29Comments(0)しこり

2011年10月31日

◆しこり133

の最終診断(確定診断)は病理検査でくだされます。

額のしこりです。

見た目は典型的なイボ(尋常性疣贅)でしたが病理検査を行ったところ意外な内容で返ってきました。


尋常性疣贅とはまったく違う疾患である「ケラトアカントーマ」との鑑別に苦慮するとのコメントです。

結果的には、臨床診断を重視して晩期の尋常性疣贅でも矛盾しないという、慎重な結論となっていました。

術後2ヶ月

  

Posted by Dr.Ken at 00:07Comments(0)しこり

2011年10月24日

◆しこり132

の中で、見た目が「似て非なるもの」については以前にも紹介しました(こちら)。

 最近の出来事ですが、臨床診断と病理診断がまったく違った症例を紹介します。

 一見して「色素細胞性母斑(=ホクロ)」です。

しかし、何度聞いても盛り上がってきたのが数ヶ月前からということでした。
となると普通のホクロではありません、臨床診断は第1印象通りに「色素細胞性母斑」として病理検査を依頼しました。


結果は何と皮膚線維腫でした。

皮膚線維腫の特殊型のようですので臨床診断がはずれても仕方ありません。
が、しこり診断の奥深さを思い知らされました。


  

Posted by Dr.Ken at 21:40Comments(0)しこり

2011年10月20日

◆小さな勇気

と大きな勇気、あるいは小さな覚悟と大きな覚悟と言ってもいいかも知れません。

何のことでしょうか?

先日、知人のSさんから顔面の小さなできものの相談を受けたときに、

私が「どんなしこりでも小さなうちに治療を受けた方がいいですよ」とコメントしたあとに

「治療を受ける勇気が出たら受診します」と返事がありました。

そのときにふっとひらめいたのです。電球

「しこりが小さいと小さな勇気ですむけど、しこりが大きくなると大きな勇気(覚悟)が必要になりますよ」

患者さんを説得するのに、良いフレーズです。GOOD

それ以上に、しこりが小さいと小さなキズですむところを、大きなキズで解決しないといけないのは、形成外科医にとっても辛いところです。ぐすん

肩の大きなしこり


しこりの半分の皮膚切開で摘出を試みました。


脂肪腫をすべて摘出できました。

なんとか小さな切開で頑張りましたが、もっとしこりが小さいときに、来てもらうに越したことはありません。

Sさん、小さな勇気が必要なうちに待っています。砂時計




  

Posted by Dr.Ken at 23:32Comments(2)しこり

2011年10月17日

◆しこり131

を見た目で診断することの難しさを痛感した一例です。

成人男性の腕にできた赤いしこりです。

ご本人は3ヶ月前に気づいたとのことでした。
徐々に大きくなってきて、特に痛み、痒みはないようです。


印象としてはケロイドのようにも見えますが、比較的急な経過ですので何らかの皮膚腫瘍や転移性腫瘍も否定できません。
ご本人の強い希望もあり、完全に切り取って病理検査に提出しました。

その結果、診断はこれです。

皮膚良性リンパ腫症


思わぬ結果でした。

結果が出てから教科書で調べると、皮膚良性リンパ腫症は反応性の病変で数ヶ月で自然に軽快することが多いと書いてある本もあります。

しかし、私自身のしこりに対する治療方針は、明らかに薬や経過観察で良くなると分かっている場合を除き、積極的に切り取って確定診断をつけることです。
  

Posted by Dr.Ken at 23:15Comments(0)しこり

2011年10月11日

◆しこり130

の中で生まれつき見られるもののひとつがこれです。

幼児の大腿の柔らかいしこりです。

診断はリンパ管腫です(詳しくはこちらをご覧下さい)。


リンパ管腫と言っても、存在部位、大きさ、形状(組織学的違い)で治療法は様々です。

最近では薬剤を注入してリンパ管腫を縮小させる「硬化療法」が拡がってきています。それの伴い血管腫やリンパ管腫の治療を専門的に行っている形成外科医を中心にした研究会も発足しています(こちら)。

  

Posted by Dr.Ken at 23:33Comments(0)しこり

2011年10月05日

◆しこり129

で来られた方の中には他院ですでに何度か治療を受けたあとのこともあります。

鼻の真ん中の目立つ、赤いしこりです。


何度か、液体窒素による凍結療法を受けたようです。

一旦、良くなって再発してきたとのことで当院に紹介されました。

でき始めの外観は、ご本人から聞いても要領を得ず、出血しやすいため血管性の病変(化膿性肉芽腫)を考えました。

再発性の病変ですので、外科的にしっかり切り取ることにしました。

病理検査では、なんと尋常性疣贅(いわゆるイボ)でした。

尋常性疣贅の外観は特徴的ですので、臨床診断は比較的容易です。
何度も凍結治療を受けて、見た目がすっかり変わったようです。
  

Posted by Dr.Ken at 20:30Comments(0)しこり

2011年10月02日

◆しこり128

シリーズでは、特定疾患の典型的な写真を紹介しています。

次の写真の診断は何でしょう?

これまで、数多くの「しこり」をご覧になった方は、似たようなしこりの記憶が残っているのではないでしょうか。


確定診断は黄色肉芽腫です(くわしくはこちら)。

しこり治療のエキスパートになるためには、いかに数多くの「しこり」を経験するかにかかっています。
さらに、臨床所見(見た目)から組織所見が思い浮かぶぐらい病理組織標本を数多く見ることも大切です。  

Posted by Dr.Ken at 22:57Comments(0)しこり

2011年09月16日

◆しこり127

の治療前後も写真撮影を必ず行っています。

特にこれはと言うような術前写真は、私自身で撮るようにしています。
ただ、術後の経過観察の場合、特に問題なければ看護師に撮影をお願いするときもあります。

先日、粉瘤をくりぬき法で治療した方が3ヶ月後のフォローで来院されました。
担当した看護師は写真撮影も済んでいますと、左耳を指さします。ところがモニター上の術前写真は右耳前のしこりです。

聞くと患者さん自身が、反対側を手術した側だと思い込んでいたようです。手術した側のキズ跡がほとんどわからない状態で違和感もないので、勘違いしたのでしょう。

患者さんの言葉を信じて、なんの疑いも抱かずに看護師も手術していない側を撮影したのです。

術前のしこり


小さな切開から粉瘤(袋状のしこり)を取り出しているところ(白黒にしています)。


手術翌日


術後3ヶ月、よく観察しないとキズはわかりません
  

Posted by Dr.Ken at 23:46Comments(0)しこり

2011年08月30日

◆しこり126



どう見ても、しこりと言うより乳頭ですね?
実際は大腿部の柔らかいしこりです。びっくり!


切り取った標本をみるとしこりの本体は脂肪です。

脂肪組織の一種のヘルニアです(くわしくはこちら)。
  

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2011年08月18日

◆しこり125

の中で、成人型黄色肉芽腫については以前に紹介しました(こちら)。

成人型という呼び名があるからには「小児型」と言うのがあるのでしょうか。

「成人型」に呼応する表現は「小児型」ではなく「若年型」という表現が多いようです。実際、若年型黄色肉芽腫という疾患が存在します。

生後6ヶ月の若年型黄色肉芽腫です。



「若年型」と「成人型」の黄色肉芽腫は肉眼所見、組織所見(病理検査)は似ていますが、性質は異なります。

「若年型」は、生後6ヶ月までに生じることが多く、ほとんどが5〜6歳までに自然に消失します。多発する場合や自然に良くならない時に外科的に治療します。

「成人型」は、青年期以降に生じることが多く、ほとんど単発で自然に消失することは少ないとされています。  

Posted by Dr.Ken at 23:25Comments(0)しこり

2011年08月08日

◆しこり124

の中で、眉毛の周囲に良く見られる皮様のう腫については以前にも紹介しました(こちら)。

治療は外科的に摘出することになりますが、大切なことはどこをどのように切開するかです。

眉毛の部分はキズがきれいに治っても、その部分の毛が抜けると以外と目立ちます。

次の写真は眉毛部のしこりです。


眉毛の上部を切開することにしました。

いつものように3.5倍のルーペで見ながら、毛根を痛めないように毛の生えている方向と平行に切開して摘出しました。

術後2ヶ月、眉毛の脱落がほとんどないため、キズ跡も目立ちません。
  

Posted by Dr.Ken at 00:00Comments(0)しこり

2011年08月04日

◆しこり123

の中で外見が特徴的なもののひとつがこれです。

表面が平滑で黄褐色または赤褐色調の半球状のしこりです。


病理診断は成人型黄色肉芽腫でした(くわしくはこちら)。
  

Posted by Dr.Ken at 17:20Comments(2)しこり

2011年07月29日

◆しこり122

を数多く見ていると、触れた瞬間に、これは普通じゃないと思う時があります。
硬く、深く、動かないか動かしにくい、比較的大きなしこりです。

そんな時、次の診断手段は超音波検査です。しこりの深さ、形、境界が明瞭か否か、性質(嚢腫か、充実性か)、周囲の組織との関係など、多くの情報を収集できます。

その結果、良性のしこりと判断されれば、私は時間の許す限り受診当日に摘出するようにしています。そして病理検査を行います。

ただし、悪性の可能性を示す所見があれば、私はMRIでさらに質的に評価していきます。その画像診断で肉腫などの軟部組織腫瘍が疑われた場合、一般的に次のステップはしこりの一部を採取して組織検査することです。

確定診断が出た時点で、治療方針が決まります。つまり、悪性腫瘍をしっかり治すためには、多くの場合しこりを含めて広範囲に周囲の組織も切除する必要があるのです。

先日も、若い方が腕のしこりを訴えて来院されました。触れた瞬間、できるだけ早く、今回紹介したステップを迅速に踏まなければいけないと思いました。

幸いにして、連携病院での最新鋭のMRI検査がすぐに予約できて、その日のうちに放射線科専門医の読影結果も得られました。強く悪性腫瘍を疑う所見でしたので当院での治療は困難と判断し他院を紹介しました。

次の写真は最近、治療した指のしこりです。
臨床的に腱鞘巨細胞腫と診断して摘出しました。


病理診断も腱鞘巨細胞腫でした。
  

Posted by Dr.Ken at 23:28Comments(0)しこり

2011年07月16日

◆しこり121

中で粉瘤のくりぬき法については何度も紹介しました。

先日、1年前に顔面の粉瘤をくりぬき法で治療した方が別件で来院されました。

同法で治療を受けた方が、経過が良い場合にわざわざ1年後に見せに来院することは、ほとんどありません。

今回、たまたま治療後1年の状態を見ることができました。
その結果、くりぬき法がとてもよい方法であることを再確認しました。

術前


摘出した内容物


治療後2週間後


同1年後

キズ跡はどこでしょう。ほとんど分かりません。
  

Posted by Dr.Ken at 23:35Comments(0)しこり

2011年07月14日

◆しこり120

と言うよりも、皮膚が硬くなって中央にくぼみ(潰瘍)が高齢者の下肢にできました。

なかなか良くならないので他院で生検(病理検査)されてと皮膚がん(扁平上皮がん)と判明し当院へ紹介されました。

比較的悪性度の高い病変ですので筋膜も含めた広範囲の切除が必要です。


双葉皮弁で再建しました。



手術後6ヶ月、再発のサインはありません。


治りにくいキズは要注意です。  

Posted by Dr.Ken at 15:40Comments(0)しこり

2011年06月23日

◆しこり119

の中で、おそらくもっとも柔らかいのが軟線維腫です。

そのひとつがこれです。
大腿にできたもの。
<

肩にできたもの。


何れも真横から見るとキノコのように茎があり、切除した場合にキズ跡は意外なほど小さくてすみます。

軟線維腫は身体のどの部位にも生じますが、当院で治療する中では、やはり頚部や顔面が多いように感じます(こちら)。

また、柔らかくてキノコのような見た目でも組織検査でまったく別物の場合もあります(こちら)。  

Posted by Dr.Ken at 23:36Comments(0)しこり