Dr. Kenの “ゼロより１” 日記

が、92組の一卵性双子の調査をもとに報告されていました。


形成外科で最も権威のある雑誌PRS

の最新号(Plast. Reconstr. Surg. 131: 794e, 2013.)です。

男性型脱毛症（androgenetic alopecia：AGA)には、

遺伝と環境因子

両方が関与していることは、これまでも知られていました。


今回の報告のポイントは、

遺伝的（遺伝子）には全く同じ一卵性双子を対象に

男性型脱毛の環境因子の影響を調べている点にあります。

しかも、脱毛の部位別、

つまり前頭部、側頭部、頭頂部の３部位ごとに検討し、

統計学的に有意差が出た環境因子を提示しています。


えっと思うような結果もありました。


以下、長くなりますが、結果を原文で示して訳も追加します。

前頭部脱毛の増悪因子
Increased smoking duration (p < 0.001) ：長期の喫煙歴
The presence of dandruff (p = 0.028)：フケの存在


側頭部脱毛の増悪因子
Increased exercise duration (p = 0.002)：長時間の運動
Consumption of more than four alcoholic drinks per week (p = 0.042)：週4回以上の飲酒
Increased money spent on hair loss products (p = 0.050)：脱毛予防薬を多量消費


側頭部脱毛の改善因子
Daily hat use (p = 0.050)：帽子の着用
Higher body mass index (p = 0.012)：BMI高値
Higher testosterone levels (p = 0.040)：男性ホルモン高値


頭頂部脱毛の増悪因子
Abstinence from alcohol consumption (p = 0.030)：禁酒
Consumption of more than four alcoholic drinks per week (p = 0.004)：：週4回以上の飲酒
Increased smoking duration (p = 0.047)：長期の喫煙歴
Increased exercise duration (p = 0.050)：長時間の運動
Increased stress duration (p = 0.010)：長期間のストレス


薄毛スコアの増悪因子
Lower body mass index：BMI低値
More children：子だくさん
Increased caffeine consumption：カフェイン消費過多
History of skin disease：皮膚疾患あり
Abstinence from alcohol：禁酒

（註：訳語はあくまで私個人によるものです、ご了承下さい。）

付録：素敵な花が届きました。

Dさんありがとうございます。