Dr. Kenの “ゼロより1” 日記

沖縄県那覇市久茂地 タイムスビル6階にある 形成外科KCの院長、Dr. Kenのブログです。

日々従っていた“常識”が覆される

こともあります。


日々の手術では、当然、麻酔が必要ですが

局所麻酔では、ほとんどの場合エピネフリンまたはボスミンと呼ぶ、血管収縮剤を含んだもの(E入りの局麻と呼びます)を使います。

理由は

局所麻酔の効果が延長すること

また

血管が収縮するために手術中の出血が最小限で済むからです。

特に顔面のような血管の豊富な組織では、“E入りの局麻”は必須です。

(局麻についてはこちらもご覧下さい)

そこで、どのくらい待つかと言うと

10分間

は、待ったほうが良いと教科書に書かれているし、試験問題でも10分が正解になっています。


ところが、

先日、形成外科の医学雑誌PRS(註:PRSについてはこちら)の最新号を読んでいると

えっ

と思うような論文が載っていました。

これです、タイトルは
日々従っていた“常識”が覆される
(PRS, 131: 811, 2013)
局所麻酔後どのくらい待ったら、出血を最小限にできるか

厳格な“triple-blind”controlled studyで得られた結果(下図)は
日々従っていた“常識”が覆される
なんと局所麻酔後

25分

に血管収縮(厳密にはヘモグロビン量の減少)がピークになったとのことです。

術中の出血を最小限にして、良好な視野を得たいなら、

25分待ちなさいびっくり!

というのが、結論でした。

私の日々の診療も、小手術のため局所麻酔をした後は、他の患者さんの診察や処置をしながら、メスを入れるのを10分ほど待つようにしています。



これからは、20年以上も続いた、この習慣を若干修正します。時計汗

“常識”が定石でなくなることもあるんですね。




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