Dr. Kenの “ゼロより1” 日記

沖縄県那覇市久茂地 タイムスビル6階にある 形成外科KCの院長、Dr. Kenのブログです。

外科医vs燃え尽き

と題する学術論文が米国から出ていました。

 以下、引用です。

 長時間勤務する外科医が燃え尽き(burnout)状態やおよびうつ状態になり、患者の安全性に問題が生じるほか、依存症や自殺など医師個人での問題が起こるリスクも高いことが、新しい研究で示された。

 米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルチモア)およびメイヨー・クリニック(ミネソタ州ロチェスター)の研究グループによると、米国の外科医7,905人を対象とした2008年の調査データを分析した結果、週80時間以上の勤務を申告している外科医の50%が燃え尽き状態の基準を満たしており、約40%がうつ状態であることが判明。さらに、11%が最近3カ月以内に重大な医療ミスをしたことを認めており、20%が今選択できるなら再び外科医にはなりたくないと回答した。

 この知見は、長時間勤務と当直が外科医の苦悩をもたらすことを示すものであると、研究著者である米ジョンズ・ホプキンス大学医学部外科教授のCharles M. Balch博士は述べ、「仕事量と苦悩の間には強い相関があり、外科医の私生活および仕事にもそれが現れる」と指摘している。

 一方、週80時間以上の勤務や週3回以上の当直をしている医師を含めて、調査対象となった外科医の3人に2人が、勤務時間を制限することは却下している。ただし、給与制で働く外科医は、出来高給より勤務時間の制限を望む傾向があった。Balch氏は「勤務時間の減少によって、必ずしも医師の満足感や、医療の向上が得られるとのエビデンス(科学的根拠)があるわけではない」と指摘。

 「外科医が必ずしも自分の仕事量を監視されることを望んでいるとは考えられない」と述べ、勤務時間を規制するのではなく、燃え尽き状態になるリスクの高い外科医を早期に特定することに焦点を合わせるべきだとしている。

 この研究は、米国外科学会誌「Journal of the American College of Surgeons」11月号に掲載された。


 日本でも外科医を希望する医師の減少は深刻で、冗談で外科医を「絶滅危惧種」に指定すべきだと言う人もいるくらいです。がーん

 私は、外科医・形成外科医であることを天職と思い、日々メスを握っています。後輩にその良さを知ってもらうには、やはり一緒に手術し、行動して身体で示すしかないと考えています。

 
中部病院勤務医のころ、研修医に採皮の仕方を指導しているところです。
外科医vs燃え尽き


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この記事へのコメント
時々ブログを訪問しています、猫のポチと言います。
レオン&エリダンススクールで紹介された記事から、こちらのサイトを知りました。
本当に外科医は過激な勤務状況ですよね(-_-;)
外科医の他にも、産婦人科医や、小児科医も『絶滅危惧種』だとおもいます。かく言う私は、希少種の『助産師(産婆)』をやっております^^
私の場合、やり甲斐のある職種なので、続けていけたと思いますが、気分転換の為にダンスをやっているので、さらにプラスになったとお思いました。
ken先生の踊る姿は、ボリュームが有って素敵ですよ。ダンスも続けて下さいね
Posted by 猫のポチ at 2010年11月13日 11:43
猫のポチさま

コメントありがとうございます。
外科医は、確かに過酷ですが、こだわりと忍耐でお互いがハッピーになれるやりがいのある仕事です。

私の踊る姿をご存じなんですね。エレガントにダンスらしく踊れるよう地道に練習していきます。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by Dr.KenDr.Ken at 2010年11月13日 16:47
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