Dr. Kenの “ゼロより1” 日記

沖縄県那覇市久茂地 タイムスビル6階にある 形成外科KCの院長、Dr. Kenのブログです。

しこり(57)

を見たら、その奥には何があるのか、

イメージしながら診察する必要があります。

前日に引き続き、同じテーマです。



 次の写真は、女性の顎下部の腫瘤で、比較的ゆっくりと大きくなってきたとのことです。
 しこり(57)
 触れると弾力性があり緊満した感じです。下顎の奥には何があるのでしょう。


 下顎骨の周囲には血管、

神経はもちろん舌下筋群と呼ばれる多数の筋肉、

さらには大唾液腺の仲間である舌下腺と顎下腺が存在します。

そのため顎下のしこりは大唾液腺、

特に顎下腺由来の腫瘍を考える必要があります。



 CT検査を行うと下顎骨の内側に接して嚢胞(袋状の腫瘍)が確認されました。
 しこり(57)
 顎下型がま腫(plunging ranula)と診断し、手術しました。


 次の図は下顎骨を半分に切って内側から見たものです。
しこり(57)

 がま腫は、

舌下腺や顎下腺、小唾液腺の導管が、

何らかの理由でつまることなどが

原因となって粘液が貯留した袋ができる疾患です。



 治療は、主に外科的(開窓術または摘出術)に行われますがが、

薬液(OK432など)を嚢腫内に注入して袋をつぶす、硬化療法と呼ばれる方法もあります。


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