しこり(57) 2010年09月18日 12:00 カテゴリー │しこり を見たら、その奥には何があるのか、 イメージしながら診察する必要があります。 前日に引き続き、同じテーマです。 次の写真は、女性の顎下部の腫瘤で、比較的ゆっくりと大きくなってきたとのことです。 触れると弾力性があり緊満した感じです。下顎の奥には何があるのでしょう。 下顎骨の周囲には血管、 神経はもちろん舌下筋群と呼ばれる多数の筋肉、 さらには大唾液腺の仲間である舌下腺と顎下腺が存在します。 そのため顎下のしこりは大唾液腺、 特に顎下腺由来の腫瘍を考える必要があります。 CT検査を行うと下顎骨の内側に接して嚢胞(袋状の腫瘍)が確認されました。 顎下型がま腫(plunging ranula)と診断し、手術しました。 次の図は下顎骨を半分に切って内側から見たものです。 がま腫は、 舌下腺や顎下腺、小唾液腺の導管が、 何らかの理由でつまることなどが 原因となって粘液が貯留した袋ができる疾患です。 治療は、主に外科的(開窓術または摘出術)に行われますがが、 薬液(OK432など)を嚢腫内に注入して袋をつぶす、硬化療法と呼ばれる方法もあります。 タグ :しこりがま腫顎下型がま腫大唾液腺唾液腺 Tweet 同じカテゴリー(しこり)の記事 額の脂肪腫、切除後9年の経過(2024-03-18 12:40) 下肢にできた有痛性しこり、その正体は(2024-02-14 13:48) 耳介後面の大きなできもの、その正体は(2024-02-08 14:07) 頬の大きな粉瘤、くり抜き法で治療後4ヶ月の経過(2024-01-24 23:32) 頬の大きな粉瘤、くり抜き法で治療後4ヶ月の経過(2023-11-29 20:42) 頭部の大きなしこり+禿髪、その原因は(2023-11-20 09:03) コメント(0) ※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。 名前: メール: URL: 情報を記憶: コメント: <ご注意>書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。 確認せずに書込 画像一覧