しこり(39)
シリーズも、まだまだネタは尽きません。
今日は、昨日の続き、血管鋳型についてです。
18年前に、私が大学で形成外科を研修中に、各種の血管病変の鋳型を作って研究し、その結果をまとめて学位を得ました。
具体的な、手順を紹介します。
次の写真は頭皮の血管腫ですが、切り取る前に主要栄養血管が分かるときは、マーキングしておきます(下図)。
血管に流し込む、2種類の薬品を混合します。
血管腫を切り取った後に、しこりを栄養する主要血管に細い管を入れて生理食塩水で血管の中を良く洗い流し、準備して置いた樹脂を全体に行き渡るまでゆっくり注入します(下図)。なお、紅いのは樹脂の色です。血液ではありません、念のため。
その後、一晩おいて樹脂が十分固まった後、特殊な液(水酸化カリウム)に数日間浸して置きます。すると、皮膚や脂肪などの軟部組織は溶けて、樹脂だけが残ります(下図)。
そして、出来上がった血管鋳型を走査型電子顕微鏡で観察するわけです。
すると、スターウォーズを思わせるような世界に遭遇します(下図、右下黒い横棒は0.6mmです)。
文章にすると簡単なようですが、実際は多大な時間と細かな作業、忍耐を要します。
でも、世界でまだだれも見ていない「世界」を見れることを期待して、ワクワクしながら研究に没頭していました。
今日は、昨日の続き、血管鋳型についてです。
18年前に、私が大学で形成外科を研修中に、各種の血管病変の鋳型を作って研究し、その結果をまとめて学位を得ました。
具体的な、手順を紹介します。
次の写真は頭皮の血管腫ですが、切り取る前に主要栄養血管が分かるときは、マーキングしておきます(下図)。
血管に流し込む、2種類の薬品を混合します。
血管腫を切り取った後に、しこりを栄養する主要血管に細い管を入れて生理食塩水で血管の中を良く洗い流し、準備して置いた樹脂を全体に行き渡るまでゆっくり注入します(下図)。なお、紅いのは樹脂の色です。血液ではありません、念のため。
その後、一晩おいて樹脂が十分固まった後、特殊な液(水酸化カリウム)に数日間浸して置きます。すると、皮膚や脂肪などの軟部組織は溶けて、樹脂だけが残ります(下図)。
そして、出来上がった血管鋳型を走査型電子顕微鏡で観察するわけです。
すると、スターウォーズを思わせるような世界に遭遇します(下図、右下黒い横棒は0.6mmです)。
文章にすると簡単なようですが、実際は多大な時間と細かな作業、忍耐を要します。
でも、世界でまだだれも見ていない「世界」を見れることを期待して、ワクワクしながら研究に没頭していました。
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