Dr. Kenの “ゼロより1” 日記

沖縄県那覇市久茂地 タイムスビル6階にある 形成外科KCの院長、Dr. Kenのブログです。

キズあと

をできるだけ目立たなくしたいのが形成外科医の本能です。

 交通事故、火傷、手術などのあとにできたキズあとを目立たなくするために、あの手この手で治療します。一方、何かのできものを切り取る場合には、1ミリでも小さな長さで切開し、できるだけキズを傷めないように操作して、痕になりにくい細い糸でキズを縫って行きます。
 今から10年ほど前に、ある新聞の写真を見て、思わず絶句しました。何と「目立つ」キズあとだろう。
キズあと

 写真の人は、当時のプロ野球で日本一の救援投手と自他共に認めた佐々木投手です。尺骨神経の圧迫を取り除くために骨を削る手術をした後の記者会見の様子です。
 これほどの大投手ですから、きっと執刀医もその道の権威の方なのでしょう。佐々木投手も、そのキズあとを勲章のように指さしています。私が外科医の道を歩み出した頃は、先輩外科医から「大きなキズあとは偉大な外科医の証」だと言わんばかりの教育を受けました。

 例えば、お腹の中のできものをキチッと切り取っても、最後に巨大なムカデの様なキズあとを残したら、毎日そのキズあとを見ながら生活する患者さんが気持ちいいはずはありません。

 今の時代は、「大きなキズあとは偉大な外科医の証」だとはいきません。有能な外科医は、より小さく、より綺麗なキズあとを残すものだと一般の方の意識も変わりつつあります。


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