Dr. Kenの “ゼロより1” 日記

沖縄県那覇市久茂地 タイムスビル6階にある 形成外科KCの院長、Dr. Kenのブログです。

しこり(18)

と言っても、実は表面から見えないものもあることは前回のブログで紹介しました。

 中でも乳房のしこりは、見えないしこりの代表格と言っても良いくらい頻度が高いものです。診断するために、視診・触診はもちろん大切ですが、超音波検査マンモグラフィー、MRI、CTなどの画像検査で絞り込んで行きます。最終的に細胞診検査で評価して、診断し治療方法を決める場合もあります。

 乳房のしこりも、良性のものと悪性のものに分類できます。ご存じのように日本人女性のがんで最も多いのは乳がんで、近年さらに増加傾向にあります。一方、良性しこりも決して珍しいものではなく、種々の病変があり、年齢毎に頻度の違いがあります。

 若年者に多いのが、線維腺腫と呼ばれる良性腫瘍です。
次の写真は、20歳代の女性に生じたしこりです。画像検査では、良性腫瘍の可能性が高いものの比較的大きく、かつ増大傾向がありましたので手術となりました。問題は、どこを切開するかです、良性腫瘍でかつ若い女性の乳房ですのでできるだけ、目立たないキズ跡で治したいと思うのが形成外科医の本能です。乳輪周囲のジグザグ切開で行うことにしました。しこりから離れたところを切開したので、摘出は難しかったものの結果的に、あまり目立たないキズ跡に仕上げることができました。

 乳輪のジグザグ切開のデザインとしこりの位置
しこり(18)

 手術後1年の状態
しこり(18)


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