Dr. Kenの “ゼロより1” 日記

沖縄県那覇市久茂地 タイムスビル6階にある 形成外科KCの院長、Dr. Kenのブログです。

指先のケガは様々ですが、治療の目標はひとつ

それは、指の

"形態と機能

をできるだけ温存し、できれば元に戻すことです。



県立病院にいたころ、指の外傷は数多く経験しました。


外傷の極端な例としては、指の切断がありますが、

そのときは、もちろん、再接着(こちら)、

つまり、骨・血管・神経・腱・皮膚、すべての修復を試みます。



一方、指先がのこぎりなどで切り取られて、

一部分が欠けた状態の患者さんにも

度々、遭遇しました。



手術法は、その時の欠け具合で千差万別です。



それこそ、

形成外科医の

状況判断力
発想力
記憶力(経験と学習で得たこれまでの方法)
技術力

が要求されます。


たとえば、

のこぎりによる中指の大きな欠損
指先のケガは様々ですが、治療の目標はひとつ
(白黒にしています、それでも生々しいですが、ご容赦)

骨を少し削ってキズを閉じるのは簡単ですが

できるだけ長さを残して、

かつボリュームを維持して、

見た目も周囲と変わらない方法、

を考えました。


手間ひまはかかりますが、

となり指の背側の部分を3枚におろし
指先のケガは様々ですが、治療の目標はひとつ
中間の組織で、削れた部分にボリュームをもたせて
(専門用語で指の交差皮弁と言います)

日焼けしない皮膚を手掌から採取して移植しました。


2年後の状態
指先のケガは様々ですが、治療の目標はひとつ
わずかにボリュームが不足していますが
見た目は、ほとんどとなりの指と変わりません。



この方法を学会で報告したところ、

雑誌社から論文の寄稿依頼があり

「Adipofascial皮弁による指軟部組織欠損の再建」と題して

"形成外科、49: 769-776, 2006”

に掲載されてました。




同じカテゴリー(形成外科エピソード)の記事

 
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

企業情報

会社名

医療法人 こころ満足会 形成外科KC

住所

〒900-0015
沖縄県那覇市久茂地2-2-2
タイムスビル6F

TEL

098-866-5151

営業時間

午前 10:00~13:00 / 午後 14:00~17:30

定休日

月曜日・祝祭日・木曜午後

URL

https://www.kokoro-manzoku.com/