Dr. Kenの “ゼロより1” 日記

沖縄県那覇市久茂地 タイムスビル6階にある 形成外科KCの院長、Dr. Kenのブログです。

乳房再建とは

、乳がんなどの手術のために失った乳房を元の形に近い状態に再建する手術のことです。形成再建外科医として個人的に最も力を入れている分野であり、ライフワークと言っても良い手術です。

 形成外科医になって20年余にわたり乳房再建に取り組んできましたが、実際に乳がんを治療する乳腺外科医の方はもちろん、一般の方に、そのことが少しずつ浸透してきているのを感じます。

 そのことに関連して本日の日本経済新聞に以下の記事が載っていました。

 
2009年に全国の医療機関で行われた乳がん治療のうち、乳房を残す「乳房温存手術」の割合が6年前の前回調査を6.0ポイント上回る59.2%に達したことが患者団体の調査でわかった。乳房を切除した場合に元の形に戻す「再建手術」の実施率も前回の3倍に上昇しており、患者団体は「医師に乳房を残したいという女性への理解が広がっている」と話している。
 調査は乳がんの患者団体「イデアフォー」(東京)が実施。このうち乳房を残す「乳房温存手術」を受けた人の割合は59.2%で、実施率は前回03年の調査から6.0ポイント上昇した。1993年調査は23%、97年は36%で、回を追うごとに実施率が高まっている。温存手術が増えたため、がん組織とともに乳房を摘出する切除手術の実施率は36.5%と6.1ポイント減。
 切除手術を受けた人のうち、手術と同時か一定期間後に患者の脂肪やシリコンなどで元の形に戻す再建手術を実施した割合は11.3%と前回(3.4%)の約3倍に高まった。
 外見が変わることの精神的ダメージなどから、乳房の温存を望む患者は多い。イデアフォー世話人の中沢幾子さんは「かつてはしこりの大きさが一定以上だと切除手術を実施するケースが多かったが、患者に配慮しできるだけ温存しようという医師が増えた」と話す。


 乳房再建を受けた方の割合が前回調査の3倍に増えたとありますが、それでも11%余りというのはまだまだ少ないと私は思います。というのは県立病院勤務中は乳がんの診断を受け全切除が必要な方の半数が乳房再建を受けたいと思い、実際その半数の方が切除と同時に再建手術を受けていたからです。

 ご興味のある方は、私が2005年に琉球新報のコラム「うちなー健康歳時記」に書いた乳房再建に関する記事もこちらからご覧下さい。


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