陥入爪と巻き爪

Dr.Ken

2009年11月24日 17:40

 当院では爪のあらゆるトラブルに対応し、病的な爪も美容の面でも満足できる状態にしようと考え、高い技術を持ったネイルスペシャリストとともに治療ができるネイルクリニックを併設しています。今後、ブログでも『爪』について、いろいろご紹介しようと思います。今回は陥入爪と巻き爪です。

 爪の変形は、ほとんどないのに爪の縁が皮膚にくい込み化膿と痛みを伴う場合を陥入爪と呼んでいます。一方、巻き爪とは、爪が弯曲した状態を指し、変形が高度でない限り痛みを伴うことは少ないため病院を受診する方は少ないと思われます。

 陥入爪で皮膚への食い込みが強い場合は、手術による治療が確実で、治癒までの期間も短くて済みます。具体的には、局所麻酔後に、皮膚に食い込んだ爪の一部が生えてこないように爪の根元にある爪母と呼ばれる部分を切り取ります。

陥入爪手術前。青くマークした部分の爪が生えてこないように手術しました。

手術後8ヶ月、爪の幅は若干狭くなりましたが、再発はありません。


 次に巻き爪ですが、私も以前は手術(爪床形成術)で治療していました。
手術だと治療結果は良いのですが、手術自体、指・趾への負担が大きく、大きなキズ跡を残すために長期に渡ってキズの痛みや違和感が残るのが欠点です。また、高齢の方や糖尿病、手足の血液循環が悪い方は、いろんな理由で手術が適応しにくいのも事実です。そのため、近年、特殊なワイヤーや樹脂を利用した手術以外の方法が盛んに用いられています。
 当院では、2年余り前から手術ではない当院独自の方法(KC法)で治療を始めています。すでに100名以上の方を治療中で、途中経過は学会でも報告しました。
 詳細については、こちらをご覧下さい。


 以下に代表的な手術治療例とKC法による治療例を提示します。

巻き爪1、手術前、爪を抜いて黒いラインで切開し皮膚を伸ばして縫合します。


巻き爪1、手術後8年、再発はありません。

 
巻き爪2、KC法による治療前。

巻き爪2、KC法による治療開始後1ヶ月の状態。


巻き爪3、KC法による治療前。

巻き爪3、KC法による治療開始後11ヶ月の状態。

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