Dr. Kenの “ゼロより1” 日記

沖縄県那覇市久茂地 タイムスビル6階にある 形成外科KCの院長、Dr. Kenのブログです。

ケロイドと肥厚性瘢痕

 一般的には、

ケガや手術のあとに、

キズ跡が赤く盛り上がった状態を、

すべて“ケロイド”と呼んでいる

ように思いますが、


医学的には、

キズ跡の線維成分が過剰に増殖した状態を

ケロイド

または

肥厚性瘢痕

と、区別して呼びます。





両者の区別は、

治療法を決める上で大切です、



実際はきっちり線引きできない場合も

少なくありません。





両者の特徴を簡単に言うと、

ケロイド

は盛り上がり、硬さ、赤みなどが

何年も持続し、

元々のキズの範囲を越えて

大きくなりますが、

肥厚性瘢痕

は、時間の経過とともに落ち着き、

元々のキズの範囲を越えて

大きくなることはありません。




ケロイドと肥厚性瘢痕

の詳しい解説は日本形成外科学会のホームページ(こちら)もご覧下さい。




下の写真は、

心臓手術の5年後のキズです。

大きく赤く盛り上がっていますが、

元々のキズの範囲を越えていないので、

肥厚性瘢痕と診断しました。

ケロイドと肥厚性瘢痕




そして,次の写真は、

背部と肩のニキビ跡です。

元々のキズの範囲を越えて、

大きく赤く盛り上がり、

何年も持続し拡大しつつあるので、

ケロイドと診断しました。

ケロイドと肥厚性瘢痕






ケロイドと肥厚性瘢痕の治療

は、保存的治療と手術的治療

に分けられます。





保存的治療としては、

以下の方法があります。

A.外用療法
 ステロイド剤の入ったテープや、
ステロイド剤軟膏を使用します。
 保湿を目的として、
水分不透過性絆創膏を貼ります。

B.局所注射療法
 ステロイド剤をケロイドに
直接注射する方法です。

C.内服療法
 抗アレルギー剤は、
かゆみなどの症状には効果が認められることがあります。

D.圧迫療法
 患部の安静を保ち圧迫する方法があります。
テープ固定やシリコンシートによる圧迫などが行われます。

E.放射線療法
 手術後早期からの電子線照射が有効とされます。




ケロイドと肥厚性瘢痕の治療は、

まず保存的療法が優先されます。

手術を行っても

保存的治療を術後早期から行う必要があります。

特に、ケロイドの場合には、

安易に切除すると再発し、

元のケロイドより大きくなってしまう

こともあり、注意が必要です。


私のこれまでの経験から、

耳のピアス後のケロイドや、

かゆみや痛みの強い肥厚性瘢痕は

術後にしっかりと

前述の保存的治療、

特に電子線照射を併用することを条件に、

外科的治療も有効と考えています。



下の写真は、

心臓手術の3年後のキズです。

肥厚性瘢痕と診断しました。

ケロイドと肥厚性瘢痕


切除と術後電子線照射の

併用治療後2年の状態です。

再発していません。

ケロイドと肥厚性瘢痕






次の写真は、

ピアス後のケロイドです。

ケロイドと肥厚性瘢痕


切除と術後電子線照射の

併用治療後1年の状態です。

再発していません。
ケロイドと肥厚性瘢痕





形成外科KCホーム・ページこちらをクリック






形成外科KCへの問い合わせこちらをクリック

なお、お手数ですが、
ご予約はお電話(098-866-5151)
で、お願いします。m(_ _)m






形成外科KCスタッフ・インスタグラム

クリニックの様子や施術・商品の紹介、各種キャンペーンなど

の情報提供を随時行っていきます。ニコニコ

下記URLからご覧下さい。ピース

https://www.instagram.com/okinawa_plasticsurgerykc/









同じカテゴリー(Dr. Kenのおすすめ)の記事

 
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

企業情報

会社名

医療法人 こころ満足会 形成外科KC

住所

〒900-0015
沖縄県那覇市久茂地2-2-2
タイムスビル6F

TEL

098-866-5151

営業時間

午前 10:00~13:00 / 午後 14:00~17:30

定休日

月曜日・祝祭日・木曜午後

URL

https://www.kokoro-manzoku.com/