医療法人こころ満足会 形成外科KC

2011年07月30日

◆イエーイ!

と麻酔からまだ十分醒めていないHさんが発しました。

私が手術が終わったことを告げた後の第一声です。

ただし、手術前はとても緊張していました。ここ数日、手術のことを考えると色んな思いがよぎり夜も十分休めなかったと話していました。

そんな時に私は言います「後は私にお任せください。麻酔の中で、心地よい夢を見ながら、どこか素敵な所に行くことだけを考えてください」と。

術前のデザインをしながら例によって有線放送の希望を聞く、ボサノバのチャンネルを指定されました。汗

手術は、術者である私も最も神経を使うフェイスリフトでした。

開始時間が大幅に遅れましたが、手術自体は計画通りに、スムースに終え、私も心のなかで「イエーイ!」と叫びたい気分でした。アップ

そんなとき聞きたい曲はこれです。  

Posted by Dr.Ken at 12:00Comments(0)院内のできごと

2011年07月29日

◆しこり122

を数多く見ていると、触れた瞬間に、これは普通じゃないと思う時があります。
硬く、深く、動かないか動かしにくい、比較的大きなしこりです。

そんな時、次の診断手段は超音波検査です。しこりの深さ、形、境界が明瞭か否か、性質(嚢腫か、充実性か)、周囲の組織との関係など、多くの情報を収集できます。

その結果、良性のしこりと判断されれば、私は時間の許す限り受診当日に摘出するようにしています。そして病理検査を行います。

ただし、悪性の可能性を示す所見があれば、私はMRIでさらに質的に評価していきます。その画像診断で肉腫などの軟部組織腫瘍が疑われた場合、一般的に次のステップはしこりの一部を採取して組織検査することです。

確定診断が出た時点で、治療方針が決まります。つまり、悪性腫瘍をしっかり治すためには、多くの場合しこりを含めて広範囲に周囲の組織も切除する必要があるのです。

先日も、若い方が腕のしこりを訴えて来院されました。触れた瞬間、できるだけ早く、今回紹介したステップを迅速に踏まなければいけないと思いました。

幸いにして、連携病院での最新鋭のMRI検査がすぐに予約できて、その日のうちに放射線科専門医の読影結果も得られました。強く悪性腫瘍を疑う所見でしたので当院での治療は困難と判断し他院を紹介しました。

次の写真は最近、治療した指のしこりです。
臨床的に腱鞘巨細胞腫と診断して摘出しました。


病理診断も腱鞘巨細胞腫でした。
  

Posted by Dr.Ken at 23:28Comments(0)しこり

2011年07月28日

◆爪(13)

水虫の治療に関しては以前に紹介しました(こちら)。

内服治療が第1選択ではありますが、内臓疾患があって内服できない方もいます。

そこで、塗り薬のみで治療する場合もありますが、根治は難しいとされています。

次の写真は典型的な爪白癬(爪水虫)の所見です。

爪が茶色に変色し、厚みも増しています。さらに周囲皮膚も皮がむけています。


顕微鏡検査を行うと、皮膚と爪に真菌を認めました。

内服ができないため、薬の浸透が良くなるように爪をできるだけ薄く削って、外用薬だけで治療しました。

8ヶ月後、幸いにして塗り薬だけでも効果は出ています。

  

Posted by Dr.Ken at 15:03Comments(0)

2011年07月26日

◆有線放送

を当院の手術場に導入していることは以前にも紹介しました(こちら)。

局所麻酔の時に、手術台で横になった患者さんの緊張をやわらげる上で、好きな音楽が流れていることはとても大切です。

全身麻酔の時は、私を含めてスタッフがスムースに手術をすすめる上で、これもまた有効です。

最近、当院の手術場で良く流れるチャンネルは、年代毎のヒット曲を特集したものです。30歳代、40歳代、50歳代のそれぞれに選曲されています。ですから、患者さんにお好きな音楽は何ですかと質問して「何でも良いです」と答えた方には、年代に応じたそのチャンネルを選ぶと外れはありません。

ちなみに今日も体力のいる手術がありましたが、そんなときに、この曲が流れてきたので、ぐっと気合いが入りました。

14年前の中部病院での一コマ

  

Posted by Dr.Ken at 20:40Comments(0)院内のできごと

2011年07月25日

◆爪(12)

が高度に変形する疾患のひとつが爪甲鉤弯症(そうこうこうわんしょう)です。
爪が異常に厚く長くなって、羊の角のように曲がる事があります。

本症は、高齢者に多く、第1足趾に多く見られそのほとんどは靴による圧迫が原因とされていますが、感染症、血流の不足、糖尿病、栄養素の摂取不足などでも起きます。

典型的な爪甲鉤弯症です。



爪白癬(爪水虫)が陽性でしたので、厚くなった爪を薄く削って、水虫用のクリームのみで治療しました。本来は内服薬が良いのですが年齢的な事を考慮して外用のみを行ったわけです。

8ヶ月後、爪の変形は残っていますが厚くならなくなりました。


  

Posted by Dr.Ken at 23:41Comments(0)

2011年07月24日

◆コンバインインジェクションメソッドセミナー

という長いタイトルのセミナーに参加しました。

内容は、ボトックス、ヒアルロン酸、PPC(脂肪分解注射)を用いた注入療法のレクチャーと実習です(詳しくはこちら)。

講師は韓国イアンクリニックのキムジウン先生で韓流スターの美顔作りとK-POPアイドルの美脚作りに一役買っている美人女医でした。

半信半疑(キム先生失礼)で参加したのですが、膨大な経験と実績に裏付けられて、安全に留意しながら行う神業的な注入手技に「これは本物だ」と思いました。

私自身も、被験者としてキム先生直々のボツリヌストキシンA型製剤注入、マイクロインジェクションを顔面に受けました。顔面のリフト効果があるとのことですので一週間後に変化があればブログにアップします。

正味、2時間30分ではありましたが、クリニックを休診にして日帰りで参加した価値は十分ありました。

キム先生、ありがとうございました。

テキパキとした外科的雰囲気の魅力的な方でした。
  

Posted by Dr.Ken at 19:31Comments(0)Kenのつぶやき

2011年07月23日

◆Marcus Gunn現象

とは、普通の状態では明らかに眼瞼下垂があるのに、口を開いたり、顎を動かしたりする時に、下垂のあるまぶたが自然に上がる症状のことです。

先日、眼瞼下垂の方が来院されましたが、典型的なMarcus Gunn現象が見られました。言葉では知っていても実際の患者さんを診るのは初めてでした(写真が載っているこちらをご覧下さい)。

原因は、生まれつき下顎の神経(三叉神経)とまぶたの神経(動眼神経)とが異常な連絡を持っているためと考えられています。

ものの本によると顎の動きとまぶたの上がり方からMarcus Gunn現象には4つのタイプがあるようです。
1)開口時または開いている方の目の方向に顎を動かしたときにまぶたが上がる
2)口を閉じるか、ものを飲み込むときにまぶたが上がる
3)顎を左右に動かした時のみまぶたが上がる
4)神経支配の異常はあるが、まぶたの下垂はみられない。


同じような神経の連絡異常で「ワニの涙症候群」については以前に紹介しました(こちら)。

人体は極めて精巧な無数の神経網から成り立っていますが、それでも極、まれに神経の「誤った配線」で思わぬ現象が起きるのです。  

Posted by Dr.Ken at 00:13Comments(2)Kenのつぶやき

2011年07月20日

◆あうんの呼吸

を感じる瞬間は、日頃、そう多くはないと思います。

多忙な日々の診療の中で、それを感じながら仕事できるのは、ある意味、快感です。

ところで、当院では、スタッフ間での業務上のやりとりをトランシーバーで行っています。

これです。


診察室、スキンケア室、ネイルケア室、手術室などを私自身が動き回っていますので、何か急な用件が生じても私を捜すことなくトランシーバーですぐに連絡できます。

診療中は絶えずイヤホンをしています。


先日も手術前の診察を私が行う側らで、看護師のMさんが採血を行っていました。その時、イアホンから昨日手術した方が来院したとの情報が入りました。

もちろん、目の前の患者さんにはその声は聞こえませんがスタッフの耳には入っています。そして、私が無言で採血用の注射器に触れると、Mさんも無言でその場を離れていきました。

スムーズに業務をこなしていくためには、手間がかかる患者さんは先手先手で準備して、私が処置する時間をできるだけ短くする必要があります。

その時のMさんは、瞬時に私の意を汲んで、術後の患者さんを処置室に案内していたのです。GOOD

あうんの呼吸にゾクッとする快感を覚えました。雷

どんなに言葉を労しても意思の疎通は、必ずしもうまくいくとは限りません。無言で完璧に意思が通じるとすれば、それこそ理想の職場でしょう。  

Posted by Dr.Ken at 23:52Comments(2)院内のできごと

2011年07月18日

◆青の奇跡

と海外のメディアでは報じられたとのことです。

そう、今回のサッカー女子ワールドカップ、なでしこジャパンの優勝に対しての記事です。

確かにテレビで決勝を見る限り、高さ、パワー、スピード、パスワーク、精神力、すべての面でアメリカが日本を圧倒しているように見えました。がーん

その中で、勝利したことは私の目にも「奇跡」と映りました。びっくり!

ただ、その中に「奇跡」が起きる「必然」も感じました。

立って待っているだけで「奇跡」が起きる必然はない。

MVPの澤選手のコメントにもあった「世界一になりたい」という固く強い気持ちと、それを叶えるために長く厳しく積み重ねてきた努力、そして深く強い指導者と仲間の結束力、その中に奇跡が起きる「必然」を見ました。GOOD

もちろん、アメリカのシュート27本中22本がゴールの枠外に飛んだという「幸運」も、奇跡が起きるには必要だったと思います。

PK合戦が始まる前の選手と監督の笑顔を見たとき、なでしこジャパンの勝利は、偶然ではなく「必然」に裏付けられた当然の結果と思えました。

おめでとう、ありがとう、なでしこジャパン!キラキラ   

Posted by Dr.Ken at 23:59Comments(0)Kenのつぶやき

2011年07月17日

◆セミ

の声が、例年は今頃通勤途中に聞こえていたのに、今年は聞こえないと思っていると去った金曜日から耳に入ってきました。

ゴールデンシャワー、ホウオウボク、セミの声、これでやっと通勤路の夏の役者が揃ったと言った感じです。

セミと言えば、職員が自宅の「セミ目覚まし時計」について話してくれました。

ある朝クマゼミ5匹が入った虫かごが、朝寝坊の母親の枕元に置かれていました。早朝の散歩に出かけた息子さんの心遣い(?)のようですあかんべー

「意地悪ですよね」と言いながらも「普通の目覚まし時計よりは心地よかったです」と、うれしそうに話してくれました。ニコニコ

心優しい息子さんは、その後セミたちをかごから開放してあげたそうです。キラキラ 


松山城のセミ、なぜ石柱に留まっているのか?

けっしてやらせではありません(笑)
  

Posted by Dr.Ken at 23:19Comments(0)院内のできごと

2011年07月16日

◆しこり121

中で粉瘤のくりぬき法については何度も紹介しました。

先日、1年前に顔面の粉瘤をくりぬき法で治療した方が別件で来院されました。

同法で治療を受けた方が、経過が良い場合にわざわざ1年後に見せに来院することは、ほとんどありません。

今回、たまたま治療後1年の状態を見ることができました。
その結果、くりぬき法がとてもよい方法であることを再確認しました。

術前


摘出した内容物


治療後2週間後


同1年後

キズ跡はどこでしょう。ほとんど分かりません。
  

Posted by Dr.Ken at 23:35Comments(0)しこり

2011年07月15日

◆鳳凰木

の咲き乱れています。

先週はゴールデンシャワーの「乱舞」を紹介しました(こちら)が、今日は鳳凰木(ホウオウボク)の番です。

あちらこちらで花の重みで枝が折れんばかりに咲いています。那覇市内にこんなにも鳳凰木があったのかと驚きです。

主に信号待ちの時に車内から撮影したものです(すべて7月14日撮影)。

県立看護大学前。



県庁前交差点。



むつみ橋通り。


同夜景


那覇市小禄ジャスコ近く(惜しい逆光)
  

Posted by Dr.Ken at 00:57Comments(0)Kenのつぶやき

2011年07月14日

◆しこり120

と言うよりも、皮膚が硬くなって中央にくぼみ(潰瘍)が高齢者の下肢にできました。

なかなか良くならないので他院で生検(病理検査)されてと皮膚がん(扁平上皮がん)と判明し当院へ紹介されました。

比較的悪性度の高い病変ですので筋膜も含めた広範囲の切除が必要です。


双葉皮弁で再建しました。



手術後6ヶ月、再発のサインはありません。


治りにくいキズは要注意です。  

Posted by Dr.Ken at 15:40Comments(0)しこり

2011年07月12日

◆Let's go to the party.

念願の手術日がやっと来ました。

1年前に手術を予定したものの、思わぬ事情で今日まで延びてしまいました。

今朝のAさんの表情に、手術前の不安な様子はなく、むしろ期待に胸を膨らませてにこやかでした。

夜勤明けのご主人は、軽くキスをして奥さんを手術準備部屋に送りましたが、一旦帰宅するため階段を下りかけたのを引き返して、再度奥さんに会いに行きました。

その後、別れを惜しむように何度もキスをしていたと、看護師が照れくさそうに教えてくれました。

今日は、垂れた乳房を吊り上げてさらにインプラントで増大(豊胸)させる手術です。

仕上がりよく、順調に終え、手術後は、あまり痛みを訴えることもありませんでした。

「手術はうまくいったよ」と話すと「Perky ?(こちら参照)」と尋ねてきて、
「Yes」と答えると、にっこりして、そのまま再び眠りに入りました。

それから、1時間、覚醒した彼女からナースコールがあり、様子を見に行った看護師に話した言葉が今日のタイトルです。

すでにドレスで着飾りパーティーに行きたい気分だったのでしょう。アップ  

Posted by Dr.Ken at 23:52Comments(0)院内のできごと

2011年07月09日

◆変形性股関節症2

は、股関節の痛みとともに足が動かしにくくなる病気であることは昨日のブログで紹介しました。

妻の場合、症状は左股関節の痛み、関節周囲のこわばり、運動制限はもちろん左半身ほぼ全体にこわばりや痛みが及んでいました。特に、最近は、朝の左半身の痛みと硬直の症状が強く、シャワーで身体を温めないと動けないほどに悪化していました。

そのため、治療の最終手段である人工股関節置換に踏みきりました。

最小侵襲手術(Minimally Invasive Surgery : MIS)と呼ばれる8cm未満の皮膚切開による人工股関節置換を受け、翌日からリハビリが始まりました。術後は当然、創周囲の痛みはあるものの左半身の症状が著明に改善したとのことでした。

手術後に切り取った大腿骨骨頭の関節面を見せてもらいました。

これです(あえて白黒にします)。


正常な関節面はなく。骨または異常な線維性組織で関節表面は覆い尽くされていました。
これを見て思いました「これでは関節の痛みはもちろん左半身に影響が出てもおかしくない」と。  

Posted by Dr.Ken at 23:55Comments(2)Kenのつぶやき

2011年07月08日

◆変形性股関節症1

とは、股関節が痛くなる代表的な病気です。

関節を滑らかに動かすために骨の表面を覆ってクッションの働きをしている「関節軟骨」が、何らかの理由によりすり減ってしまうために起こります。

日本では、生まれつき「先天性股関節脱臼」や「先天性臼蓋形成不全」などの股関節のつくりに問題がある人が、後々、変形性股関節症を発症する場合が多いようです。

実は、クリニックのマネジャーとして多忙を極めていた妻が、2年前に変形性股関節症と診断されました。当初、持病の椎間板ヘルニアによる痛みと考えていた腰痛と殿部痛、さらに左股関節周囲のツッパリが、主に変形性股関節症による症状だったのです。

レントゲン写真とCT

左股関節が右に比べて異常なのは明らかです。
  

Posted by Dr.Ken at 23:59Comments(0)Kenのつぶやき

2011年07月07日

◆ゴールデンシャワー

が見事です。
塩害台風に喝を入れられたためかわかりませんが、「これぐらいではへこたれません」と言わんばかりに咲き乱れています。

ゆいレール沿いに観賞してきました。

まず、美栄橋駅前



久茂地川沿い


旭橋駅前



真っ黄色と薄黄色のコントラストがきれいです。



  

Posted by Dr.Ken at 15:51Comments(0)通勤風景

2011年07月05日

◆ほくろ13

やしこりを切り取ったあとで、最もきれいに治る身体の部位と言えばまぶたです。

特にまつ毛に近いキズ跡は、アップで見てもほとんど分からないくらいに治ります。なぜ、きれいに治るのかはっきりした理由は分かっていませんが、概して皮膚の薄い部分はキズの治りが良いと思います。

切除前


切除後1ヶ月



さて、まぶたに匹敵するくらいキズ跡が目立たない身体の部位はどこでしょうか。やはり皮膚がとても薄いところです。あかんべー  

Posted by Dr.Ken at 20:25Comments(3)ほくろ

2011年07月02日

◆ケロイド

の治療については以前にも紹介しました(こちら)。

ケロイドの好発部位である前胸部や肩にある場合には、外科的切除はほとんど行いません。高率に再発するからです。

治療の前に、常に次の事をお話しするようにしています。

「ケロイド、特に前胸部や肩にある場合の治療目標は、それを消すことではなく、まず進行を抑えることです。うまくいけば痒みや痛みの症状を和らげ、盛り上がりや赤み、硬さを改善することができます。」


形成外科KCでの具体的な治療は、ステロイド剤の局所注射と抗アレルギー剤(唯一ケロイドの治療で保険適応になっている薬剤)の内服です。前者は、月に1回の注射を繰り返し、後者は、6ヶ月以上継続して内服します。

初回は、硬いケロイドの中に注射しますので、かなりの痛みを伴いますが、回数を重ねる毎に柔らかくなり痛みも軽くなります。私自身、注射時の抵抗が軽減することを通じてケロイドの改善を直に感じます。

前胸部ケロイド治療前


ステロイド剤2回局注後


ステロイド剤5回局注後

肉眼的にも明らかに改善しています。痒みもほとんどありません
  

Posted by Dr.Ken at 00:44Comments(0)形成外科エピソード