医療法人こころ満足会 形成外科KC

2010年04月30日

◆那覇市役所新築現場定点観察6

更新が遅くなりましたが、那覇市役所跡はすでに更地状態です。
ここ3週間ほど、まったく動きはありません。

平成22年4月21日撮影
  

2010年04月28日

◆しこり(14)

の中で、首のほぼ真ん中にできる、丸く境界がはっきりしているのは、正中頚のう胞(せいちゅうけいのうほう)、別名甲状舌管のう胞(こうじょうぜっかんのうほう)を考えなくてはなりません。

 正中頚のう胞は、胎児期に甲状腺が作られる過程で、本来なら消失すべき部分が出生後も残存したために袋状に膨らみ、発症します。

 小児期に、痛みや嚥下障害(飲み込みにくさ)などの症状を伴わないしこりとして気づかれ、病院を受診する方が大部分です。時に、化膿して急に腫れて、発熱を伴うこともあります。

 完全に治すには、外科的に摘出する必要があります。舌の根元につながっている場合も珍しくないので、手術前に、MRIまたはCTで全体の広がりを評価する必要があります。

 10歳男児の頚部正中のしこりです。


 横から見たところです。


 MRI検査を行うと、しこりが舌の根元にまでおよんでいるのがよく分かります。
  

Posted by Dr.Ken at 22:39Comments(0)しこり

2010年04月27日

◆しこり(13)

の中で、手関節周辺にできる、丸く境界がはっきりしているのは、まずガングリオンと思ってまちがいありません。

 ガングリオンは、主に関節を包む膜(関節包)や指を動かす筋(腱)を包む膜(腱鞘:ケンショウ)から生じた袋状のしこりで、ゼリー状の内容物を容れています。

 通常は、ほとんど症状はありませんが、徐々に大きくなるにつれ痛みや関節を動かしたときの違和感が出現し、また見た目の問題で病院を受診する方が多いようです。

 注射器で内容物を抜くと一時的に症状は改善しますが、数日でもとに戻る場合がほとんどです。従って、完全に治すには袋を、その根元を含めて外科的に摘出する必要があります。ただ、ガングリオンの存在部位、大きさ、形状、走行などは千差万別で、また、手関節周辺は多くの血管、神経、腱、骨・関節があり、合併症を生じぬようきちっと摘出するにはかなりの熟練を要します。

30歳代女性の手関節背側のしこりです。


横から見たところです。


しこりを深部に追っていくと腱に分け入って手根骨関節包につながっていました。


根っこまで追いかけて完全に摘出でしました。
  

Posted by Dr.Ken at 23:29Comments(0)しこり

2010年04月26日

◆しこり(12)

の中で、頭部、特に髪毛の中にできる、丸く境界がはっきりしているのは、まず外毛根鞘腫(がいもうこんしょうしゅ)と思ってまちがいありません。

  以前に紹介した粉瘤(ふんりゅう)または類表皮のう腫(るいひょうひのうしゅ)と似ています。違いは顕微鏡的に壁の構造が若干異なるのみです。

 外科的に、しこりを完全に切り取ることで再発はありません。

 30歳代男性の頭頂部のしこりです。





 しこりは、境界がはっきりしています。
  

Posted by Dr.Ken at 12:00Comments(0)しこり

2010年04月25日

◆しこり(11)

の中には、その場所にできたら、この診断でほぼ間違いないと言えるくらい特徴的なしこりがあります。

 以前にも、紹介した眉毛の外側にできる皮様のう腫(ひようのうしゅ)と呼ばれるしこりです。

 生まれてすぐに目の上外側の盛り上がりとして指摘されることが多く、急速に大きくなることはないため、大人になって気づかれる方もいます。胎児のころにできたしこりと考えられるため、周囲の骨の変形も見られることがあります。

 外科的に、袋状のしこりを完全に切り取ることで再発はありません。

 30歳代女性の左眉毛外側のしこりです。


 しこりは、中に黄色の液状ないしゲル状の物資を容れた袋で境界ははっきりしています。


 手術後1年経過して、再発はありません。
  

Posted by Dr.Ken at 16:53Comments(0)しこり

2010年04月23日

◆しこり(10)

の中で、硬く、根が張ったように触れるものは、要注意です。

 特に首に硬いしこりを触れた場合は、のどに悪性腫瘍(がん)がないか、キチッと調べる必要があります。痛みや声がれ、飲み込みにくさなどの症状は全くないのに首に大きなしこりができて、調べてみるとノドにがんが見つかることは必ずしも稀ではありません。

 もちろん首のしこりがすべてがんに由来しているということではありません。虫歯や何らかの化膿があってもリンパ節が大きく腫れることはあります。その場合は皮膚が赤く、熱感があり、しこりを押しても押さなくても痛みがあるものです。逆に、赤み、熱間、痛みがないしこりは要注意と言うことができます。

 次の写真の方も無痛性の首のしこりで来院され、結果的に下咽頭がんが見つかりました。


 ちなみに中・下咽頭がんは、長期の飲酒歴や喫煙歴のある人に発症しやすいと言われています。沖縄は、全国的に見ても同がんの罹患率が高いことで知られています。  

Posted by Dr.Ken at 17:12Comments(0)しこり

2010年04月22日

◆しこり(9)

の中でイチゴ状血管腫は、生まれた時には表面的にはまったく分からないか、少し赤みがあるだけと紹介しました。

 ところが、何事にも例外はあるもので、出生時からすでに大きなしこりとなっている場合も稀ながらあります。

 皮下型の血管腫と呼ばれ、しこりの一部が赤い、柔らかいしこりです。
 治療は、通常のイチゴ状血管腫と同様に自然経過を見ていきます。


 次に示した方は出生時から背中にしこりが見られました。
 写真のように1歳時、大きなしこりとなり、ごく一部に独特の鮮紅色部分を認めます。


 2歳時、縮小しつつあります。


 4歳時、盛り上がりはほとんど消失しています。
  

Posted by Dr.Ken at 18:23Comments(0)しこり

2010年04月21日

◆しこり(8)

には、それが生じた時期と場所によって、慎重な診断を要する場合があります。

 次の写真は、生まれた時から鼻のほぼ中央にあったしこりです。生後、特に形や大きさの変化は認めなかったとのことです。


 このように生まれつきのしこりが鼻のほぼ中央に存在する場合の診断名は、いくつか挙げられます。治療する上で、大切なことはしこりが脳に連続していないかを、確かめることです。

 写真の方は、3歳の時に手術しました。幸い手術前の検査で、脳との繋がりは見られませんでした。病理検査の結果、しこりは脳細胞の一種からなり、良性できものでしたが、とても稀な病変でした。

 比較的大きなしこりでしたが、表面にはできるだけキズを残さないように、鼻柱(鼻の入り口で鼻孔を左右に分けている部分)を切開して取り出しました。

 手術後1年の状態ですが、キズはほとんどわかりません。鼻の変形もわずかです。
  

Posted by Dr.Ken at 12:16Comments(0)しこり

2010年04月19日

◆しこり(7)

には、それが生じた場所によって思わぬことが原因の場合があります。

 次の写真は、中年女性へその中にできた赤いしこりで数年以上前から気付いていたとのことでした。一体、原因は何でしょう。


 某病院の皮膚科を受診した際に、担当医はお腹の中につながる病変の可能性があると判断して、私に紹介してきました。

 診察すると、へその中の小さな赤く柔らかいしこりですが、よく話を聞くと時折、膿汁(うみ)が出て、周辺が赤く腫れて発熱したことがあるとのことでした。

 以上の情報からピントきたのは、尿膜管遺残(にょうまくかんいざん)と呼ばれる疾患です。胎児の時には膀胱とへそを結ぶ管状の組織があります。本来、出生時には、消失しているはずの組織がそのまま残った状態です。

 そこでCT検査を行うと、案の上、へそから膀胱につながる病変を認めました。外科的に切り取り完治しました。

 その他にも、へそにできるしこりには、腸管につながる病変が原因の場合もありますので、注意が必要です。  

Posted by Dr.Ken at 07:21Comments(0)しこり

2010年04月16日

◆しこり(6)

には、思わぬことが原因の場合があります。

 次の写真は、中年男性の鼻と頬の間にできた赤いしこりで1年以上前から認めたとのことです。一体、原因は何でしょう。


 いくつか病院を受診したようですが、何らかの処置を受けて、一旦良くなったように見えても、再発を繰り返していました。よく話を聞くと時折、膿汁が出てくることもあり、また、上あごの虫歯の痛みもあるとのことでした。

 以上の情報からピントきたのは、外歯瘻(がいしろう)と呼ばれる疾患です。長期間にわたり歯の根っこ(歯根)に炎症があると周囲に影響がおよび皮膚に穴が開いて膿汁がでたり、しこりができたりするのです。中には歯根から10㎝以上も離れた皮膚に病変ができることもあります。

 そこでCT検査を行うと、案の上、虫歯の根っこに一致して骨が溶けた部分があり長期間におよぶ歯根の化膿があったことがわかりました。顔のしこりと歯根には若干の距離がありますが、原因は歯にあると判断し、まず、歯科医に虫歯の処置をお願いしました。その結果、しこりは徐々に改善し治癒に至ったのです。

 しこりの見た目が千差万別なら、原因も千差万別、正しい原因・診断を導くためには知識と経験はもちろんイマジネーションも必要です。  

Posted by Dr.Ken at 22:35Comments(0)しこり

2010年04月13日

◆日本形成外科学会(3)

の開催地金沢市に到着後、最も目を引いたのは、金沢駅にある「もてなしドーム」の鼓門(つづみもん)です。

 和楽器の鼓をモチーフに創られたようですが、「伝統と創造のまち金沢」のシンボルしたい意気込みが伝わってくる迫力ある構造物です。



  

Posted by Dr.Ken at 23:45Comments(0)Kenのつぶやき

2010年04月11日

◆日本形成外科学会(2)

では、海外から特別講演者を招待するのが慣例です。

 今年は、私の恩師の一人でもあるUCLA(カリフォルニア大学ロサンジェルス校)の形成外科教授Dr. Henry K Kawamotoが招待されていました。

 4年ぶりにお会いしましたが、73歳にして、尚、現役で大学でも研修医の指導を続けているとのことでした。

 以前のブログでも紹介した専属看護師のトニーは、今も片腕となって仕事をしており、何と30年も彼を支えているそうです。

やや老けましたが未だ血気盛んといった感じです。
  

Posted by Dr.Ken at 20:08Comments(0)Kenのつぶやき

2010年04月10日

◆日本形成外科学会

の、今年の懇親会は金沢城城趾内で催されました。

 夕方5時から始まりましたが、天気が快晴であったことも災いして、屋外での宴会は日が陰るにつれて急速に寒さが増してきました。

 しかし、乾杯の音頭の後は、寒さを忘れて待ってましたとばかりに屋台形式で提供される北陸の海の幸、山の幸に殺到していきました。

 余興で登場した、加賀百万石の名残を感じる芸者さんの唄と踊りもとても優雅でした。

 形成外科学会は毎年ありますが、特に地方都市で開催されるときは、趣向を凝らした懇親会が楽しみです。来年は徳島でありますが、どんなサプライズがあるのか・・・。

優雅な舞


夕闇迫る金沢城と桜並木


手袋持ってきて良かったー
  

Posted by Dr.Ken at 23:53Comments(0)Kenのつぶやき

2010年04月08日

◆桜と城

は、やはり絵になります。

昨夕から日本形成外科学会で石川県金沢市に来ています。
折しも桜は満開で金沢城趾の内外には、真っ白な雲がもくもくとわき上がるような桜の花が大きな固まりとなって木々に咲き誇っています。

せひ、ご鑑賞下さい。

  

Posted by Dr.Ken at 23:57Comments(0)Kenのつぶやき

2010年04月05日

◆しこり(5)

の中で、生まれつき見られる血管異常については紹介しました。

 同じ血管性のしこりでも、生まれた直後は、ほとんど分からないか単に皮膚が赤いだけで、その後徐々に盛り上がってきて、色調も鮮やかな赤色に変化する、イチゴ状血管腫と呼ばれるしこりもあります。

 一旦、赤く盛り上がってくると急速に大きくなり、また、顔面に比較的多いため、ご両親、ご家族のお悩みは大きなものがあります。

 一般的には、1~2歳頃まで進行性に大きくなり、その後徐々に、自然に小さくなっていきます。そのため、ほとんどの場合特に治療せず、そのまま経過を見ていきます。ただ、できた場所によって、視力障害、呼吸障害、出血などの問題が生じた場合は、何らかの治療を早めに行うこともあります。

生後6日目


生後17日目


生後28日目


生後3ヶ月


生後8ヶ月
  

Posted by Dr.Ken at 20:50Comments(3)しこり

2010年04月03日

◆興南高校

の皆様、優勝おめでとうございます。

 今日は通常どおり診療があり、予定では午前中は手術、午後は診察と処置で予約が一杯でした。決勝戦の開始時刻まで手術が終わらない可能性もあったので、自宅から携帯ラジオを持参して準備万端でした。幸い、試合開始頃には手術を終え、昼食の最中に中盤まで観戦することができて、6回に逆転した時は、休憩室で拳を何度も叩きました。

 それから、午後の診療が始まり、診察と処置をひっきりなしにこなしている最中も、待合室から大きな歓声が聞こえて来るではありませんか。

 当院は診察室が複数有りますので、先に患者さんを呼んで待機してもらい、私が診察室の間を移動するようにしています。ところが、待機しているはずの患者さんがいないので探していると、診察室で待っている間に、大歓声につられて部屋を出て一緒に応援しているではありませんか。

 何をこんなに夢中になっているのか、事情をしらない米国人にそのわけを説明すると苦笑いを浮かべていました。

 結局、試合の山場を観戦できませんでしたが、勝利の瞬間と思われる大歓声を耳にして、患者さんの前では平静を保ちつつ、再び心の中で拳を何度も叩きました。

 心地よい疲れの中、録画のした試合を見るのを楽しみにクリニックを後にしました。

 当院の待合です。


 診察室です。
  

Posted by Dr.Ken at 22:27Comments(0)院内のできごと

2010年04月01日

◆しこり(4)

には、生まれつき見られるものもあります。

 最も多いのは、血管性の異常で、身体の表面にある場合は、その色調(赤ないし青色)や柔らかさから診断は、比較的容易です。痛みなどの症状を伴うことは少なく、見た目の問題で受診される方が大部分です。

 血管の異常ですから、しこりの中を血液が豊富に流れています。その流れが早い動脈性の病変か、流れが遅い静脈性の病変か、またしこりの範囲によって治療方法が異なります。

 具体的な治療方法として、特殊な薬を使って血管を硬めていく方法と外科的に切除する方法、また両者を組み合わせて行う場合があります。

 下口唇にできた血管異常です。生まれつきの病変ですが、大きさ、色調の変化はほとんどありません。


 マーキングで囲んだ範囲を切除します。


 切り取った後を残った唇で再建しました。術後1年の状態ですが再発はありません。
  

Posted by Dr.Ken at 18:26Comments(0)しこり